貼雑歩録 Ver.2.0

雑記帳、はてなダイアリーからお引っ越ししました

ル・グウィン『いまファンタジーにできること』 ファンタジーに興味のある人、もっと広くいえば、フィクションに興味のある人、もっといえば小説が好きな人に是非読んでもらいたいル・グウィンの評論、講演集。「メッセージについてのメッセージ」は秀逸。 …

ジェームス・P・ホーガン『星を継ぐもの』 SF小説の傑作らしいということで、読んでみた。普段SFはほとんど読まないので、何がどう傑作なのかは正直分からん。月で5万年前の死体が見つかった!って所から、それを論理で展開していく力は凄いと思うけど、夢…

ロバート・ヘンライ『アート・スピリット』 アメリカの画家による、アジテーションに満ちた美術講義録。孤独を恐れるな、自分が信じた道を進め、持って産まれた才能がきっとある、というようなポジティブな煽りを混ぜつつ、芸術とは、ということを熱く語って…

『人事部は見ている』 「社長が常務以上の役員を選ぶ時の基準は忠誠心」、「自分を追い落とす危険のある部下は選ばない」とか身もふたもない所が面白かったけど、それ以外は至って普通な内容。 人事部は見ている。 (日経プレミアシリーズ) 作者: 楠木新 出…

柳田国男『日本の伝説』 伝説は地域に伝承され今なお信じられている説話。昔話は語り手が信じている訳じゃない、という区分はなるほど納得。従って民話なんて言う括りは曖昧であんまりよろしくないらしい。今の子供って伝説や昔話に触れる機会が激減している…

奥泉光『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』 推理もの3作。あまり面白くない。 桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活 作者: 奥泉光 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2011/05 メディア: 単行本 クリック: 90回 この商品を含むブログ (58件) を見る

佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』 情報に翻弄されてる自分の愚かさが浮き彫りになるような気分。何にでも気の効いたことが言えるような教養って本当は薄っぺらいんだよなぁ。はっきり言われるととても新鮮だ。でも色々知りたいという欲求があるのもまた事…

ル・グウィン『ヴォイス』 このシリーズ、ル・グウィン好きなら絶対楽しめる。 ヴォイス 西のはての年代記? (河出文庫) 作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,谷垣暁美 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2011/03/04 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商…

『流跡』 詩のような小説。流れる言葉が心地よい。『きことわ』よりもこちらの方が好みだな。普段なら気にもとめなかったであろう一節が妙に気になった。 子供は可愛い。妻とはいくら性交渉をかさねようと心をかよわせていようと離婚をすれば契約はきれる。…

ル・グウィン『ギフト』 『ゲド戦記』の作者による新たなシリーズが文庫化。魔法のような力=ギフト、を巡るお話なのだけど、『ゲド戦記』同様、魔法は誇示されるものではなく、力を持つことの意味や、その使い方を静かに問いかける、作中の人物にも、読者に…

『名盤鑑定百科 ピアノ曲編』 曲についての解説と、ディスクガイド。作品の背景や位置づけを知りたいと思って買ったのだけど、曲の解説がともするとただの感想文になっている所も。。まぁそれでも幅広く網羅しているのは凄いのだけど。 名盤鑑定百科 ピアノ…

『きことわ』 期待していたのだけどいまいち。 きことわ 作者: 朝吹真理子 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2011/01/26 メディア: ハードカバー 購入: 8人 クリック: 85回 この商品を含むブログ (85件) を見る 『異国の女に捧げる散文』 原著は63部しかすら…

『謎解きはディナーのあとで』 話題だったから読んでみたけど。。。基本シンプルなワンアイデアのミステリ短編集。お嬢様と執事というキャラ設定がなんとなくマッチしたのかな。こういうのがミステリ小説の大半だとすると、あんまり読まなくても良いなという…

『彼女のいる背表紙』 ずっと放置していたものを読了。読みたい本が増える本。数冊しか既読のものがなかった。ジュリアン・グラック『異国の女に捧げる散文』の一節にひとめぼれ。amazonで探してポチッとしてみる。小沼丹の全集、1巻しか持ってないので続き…

『バルテュス、自身を語る』 晩年のバルテュスが語った回想を収めた1冊。とにかく時間の流れが、ゆったりとしている。言葉の裏に流れる時間の雄大さ。絵を描くことは祈ること。ピエロ・デ・ラ・フランチェスカの影響を受けている位の認識だったけど、心酔し…

『ハーモニー』 世界観と作者の境遇がどうしてもだぶってしまう。病気のない世界に憧れるのではなく、病気になれる自由の価値を考える。人の善意の持つ不気味さ、息苦しさの視点はまさに大地震直後の今、時折見え隠れしていることそのもの。もっとこの人の作…

『ハリウッド・バビロン』 上巻。伝説の本が復刊、的な位置づけのようです。ハリウッドの黒歴史本。酒と女とクスリまみれのハリウッドの歴史。マリリン・モンローの自殺とか、なんであんなにメジャーなんだろう?この時代のスターの死(醜聞まみれ)なんて掃…

アレックス・ロス『20世紀を語る音楽』 読み物としても楽しめる評論。まぁ、楽しめる程度で本気で読み物として読もうとすると物足りなさというか、やっぱり評論だよね、ってなるかもしれんけども。 20世紀を語る音楽 (1) 作者: アレックス・ロス,柿沼敏江 …

『マルドゥック・スクランブル』 3巻。全体的にイマイチ。 マルドゥック・スクランブル The 3rd Exhaust 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/10/08 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 31回 この商品を含む…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル 完全版』 文庫版の1~2巻。こういうのって世界観を楽しめばよいのかしら・・・。1巻はテンポ良かったけど、2巻で失速。可もなく不可もなく。3巻はどうなるかな・・・。 マルドゥック・スクランブル The 1st Compres…

アレックス・ロス『20世紀を語る音楽』 上巻。クラシックから現代音楽へと移り変わって行く激動の時代を語る名著。楽譜の解析とかの素人にはわからん話ではなくて、読み物として楽しい所がすごい。 20世紀を語る音楽 (1) 作者: アレックス・ロス,柿沼敏江 …

えのきどいちろう『我輩はゲームである』 2巻。Vジャンプで最長記録を更新中の連載がまたもや単行本に! ゲームとは関係ない素晴らしい内容に感動。 我輩はゲームである。其ノ弐 (Vジャンプブックス(書籍扱い)) 作者: えのきどいちろう 出版社/メーカー: 集…

冲方丁『天地明察』 世の中の動きからかなり乗り遅れてますが、いまさら読了。出てくるキャラがみんな魅力的。くそ忙しいですが仕事がんばろうと思ったのでした。 天地明察 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 200…

甲斐荘正晃『女子高生ちえの社長日記2』 女子高生社長シリーズ第2弾。会社乗っ取られそうになってて、ちと面白い。1巻はあまりにも基礎すぎるのでこの巻からくらいでも良いかも?しかし、よほどこういうビジネスと縁遠い業界の人じゃないと、やっぱり基本す…

山田風太郎『地の果ての獄』 上巻。幕末から明治にかけての歴史に詳しい訳ではないけれど、風太郎の明治ものはお気楽に楽しめる。この人独特の歴史を遊ぶ感覚を楽しむには多少史実をなぞっておいた方が良いのかもしれないけれど。このお話は舞台が北海道とい…

甲斐荘正晃『女子高生ちえの社長日記』 『もしドラ』みたいな読みやすいビジネス書。自分の両親を父殿、母殿って呼ぶのは一般的なのか??シリーズ三冊ものなのでとりあえず読み進めてみるつもりだけど、1冊目はあまりにも基本すぎるかも・・・。 女子高生…

ヴィトルド・ゴンブロヴィッチ『トランス・アトランティック』 実家の本棚にあるのを見つけて、懐かしくなってしまい思わず再読。壊れている、というかとても自由。ブエノスアイレスに来たら、大戦勃発、帰国せずに現地に残り、職を得たけどオフィスは狂人ば…

上橋菜穂子『獣の奏者』 4巻。傑作でした。 獣の奏者 (4)完結編 作者: 上橋菜穂子 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2009/08/11 メディア: 単行本 購入: 12人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (110件) を見る 上橋菜穂子『獣の奏者 外伝』 ここに収めら…

奥泉光『シューマンの指』(講談社) かなり蘊蓄に走るので、イマイチ気に食わない人も周りにはちらほら。だけどその蘊蓄を含めて好きだし、この人が描く演奏シーンの美しさ、あるいは音楽の美しさを語る言葉はとても素晴らしいと思う! 『鳥類学者のファン…

上橋菜穂子『獣の奏者』 3巻。元々王獣編で完結する構想だったらしいが、こんな傑作、もっと読みたくなってしまうのが人情というもの。書いてくれてありがとう! 強大な力を人はどうコントロールできるのか、という試み。 獣の奏者 (3)探求編 作者: 上橋菜穂…

ジョージ・オーウェル『1984』 「ビッグ・ブラザーはあなたを見ている」、未来の管理社会を描いた本作は今でも生きている。むしろ、どんどんリアルになってきているかも。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社…

上橋菜穂子『天と地の守り人』 これにて、全10巻読了。日本人が書いた上質なハイファンタジー。やっぱり民話系の本が読みたくなった。それと、水木しげるが気になる。外伝も後で買おう。これから人に勧めまくろう。知らずに死ぬのは勿体ない。 天と地の守り…

上橋菜穂子『神の守り人』 神の憑依とか、2つの世界の重なり、とか、そういうお話が自然に語られる背景に、そもそもこの人が文化人類学者だった事を思い出した。日本の民話とかも読み漁りたくなってきた。 神の守り人〈上〉来訪編 (軽装版偕成社ポッシュ) …

上橋菜穂子『夢の守り人』 夢の素晴らしさと夢の怖さ。夢に囚わ過ぎることはただの現実逃避と変わらんのだ。 夢の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ) 作者: 上橋菜穂子,二木真希子 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 2007/07/02 メディア: 単行本 購入: 2人 クリ…

上橋菜穂子『精霊の守り人』 歴史は勝者によって歪められる事、価値観や世界観、なんて人それぞれ、相対的なものにすぎない事、大切な事がつまった本。名作。 精霊の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ) 作者: 上橋菜穂子,二木真希子 出版社/メーカー: 偕成社 発…

上橋菜穂子『獣の奏者』 闘蛇編、王獣編。全4部作の2部だけ文庫化されている。もともとこの2部で完結するつもりだったらしい。なので、これだけ読んでも十分満足できる。でもこれ読んじゃうと続きが読みたくなる。作品としての完全性が失われても、それで…

ブルボン小林『マンガホニャララ』 マンガには色々な楽しみ方があって良いのだ、と思わせてくれる名著。本書で紹介されていて未読の作品、まとめて買いたくなった。 マンガホニャララ 作者: ブルボン小林 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/05/27 メデ…

伊藤計劃『虐殺器官』 小島秀夫のファンだったと言うのがとてもしっくり来る文章、世界観、だった。夭折が惜しまれる。ミステリやSFは未開拓なのだけど、面白そう。じっくり開拓して行きたい。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: …

天久聖一『味写入門』(アスペクト) 電車の中で読んでても笑いが出てしまう。堪えきれない作品がちらほら入っているので外で読む時はその危険を認識した上で読んでください。 味写入門(あじしゃにゅうもん) 作者: 天久聖一 出版社/メーカー: アスペクト 発…

神山健治『東のエデン 劇場版』 アニメを見る時間がなくて結局、TV版も映画版も小説で先に読む事に。で、今改めてアニメを見ながら気がついたのだけど、小説の方が面白いかも、という事。結末はちょっと回収不足な物足りなさを感じたけれど、全体的にはとて…

ギュスターブ・フローベール『ボヴァリー夫人』(岩波文庫) 下巻。ようやく読了。エンマの転落人生。理想が現実に押しつぶされて身の破滅。くわばらくわばら。駆け落ちの約束を反故にして馬車で去るロドルフの姿を家の窓から見て失神するシーンとかも実に映…

佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』(ディスカバー21) 実にわかりやすく、現状と想定される未来を描いていた。これをバイブルにして、出版界を志す若者も出てくるんだろうな。いや、出てきて欲しい。そういう若者と力を合わせて、変えていきたい、というか実現し…

鷲田清一『たかが服、されど服』(集英社) 鷲田清一と集英社という組み合わせが新鮮。だと思ったら、書き下ろしではないのね。イタリアで出版されたヨウジの作品集に寄せた原稿をまとめて出したものらしい。ここ数年、かなり衰えていた気がする。そしたら潰…

川端裕人『算数宇宙の冒険 アリスメトリック』(実業之日本社) 意外と、複雑な話が出てきてびっくり。ゼータ関数とか。数学が宇宙、世界の認識とどう繋がっているか、雰囲気がとらえられたのは面白かった。これ、高校生くらいの時に読んでいたらもう少しま…

庄野潤三『野菜讃歌』(講談社) 文芸文庫は素晴らしい。日常を紡ぐ作家さん、今では全然売れないんだろうなぁ。。こういうの大好きなんですが、時代がもう違うのかな。

車田正美『聖闘士星矢 冥王神話』(秋田書店) 1~2巻。ネクストディメンション、って言ってますが何も変わってません。シュールな副題です。絵も全く上達していません・・・。このべたべたな展開が、面白くないけど面白い。 江口寿史『ストップ!!ひばりく…

『ピアニストが見たピアニスト』(中公文庫) あんまり演奏家の伝記的なものを知らなかったので、へぇ、とは思うのですが、それ以上のものは無く。様々な人の発言やら評論やらを引用しながら色々言ってるのですが、で、結局何が言いたいの?という気分に。

増田奏『住まいの解剖図鑑』(エクスナレッジ) 家の設計に込められた工夫とか考え方とか。身近なものだけに面白い。家を建てたくなります。

ダンテ『神曲』(宝島社) ギュスターブ・ドレの挿絵がメイン、訳は抄訳で読みやすい。神曲の世界を画集を見る感覚で楽しめる。改めて読んでみると、ダンテって自分を主人公にして地獄巡るまでは良いけどその後完全に悟り開いちゃってるからね、冷静に考える…

黒井千次『珈琲記』(紀伊国屋書店) マニアックな話ではなく、日常の中にある珈琲の話。