貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

ジョージ・オーウェル『1984』 「ビッグ・ブラザーはあなたを見ている」、未来の管理社会を描いた本作は今でも生きている。むしろ、どんどんリアルになってきているかも。 一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社…

上橋菜穂子『天と地の守り人』 これにて、全10巻読了。日本人が書いた上質なハイファンタジー。やっぱり民話系の本が読みたくなった。それと、水木しげるが気になる。外伝も後で買おう。これから人に勧めまくろう。知らずに死ぬのは勿体ない。 天と地の守り…

上橋菜穂子『神の守り人』 神の憑依とか、2つの世界の重なり、とか、そういうお話が自然に語られる背景に、そもそもこの人が文化人類学者だった事を思い出した。日本の民話とかも読み漁りたくなってきた。 神の守り人〈上〉来訪編 (軽装版偕成社ポッシュ) …

上橋菜穂子『夢の守り人』 夢の素晴らしさと夢の怖さ。夢に囚わ過ぎることはただの現実逃避と変わらんのだ。 夢の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ) 作者: 上橋菜穂子,二木真希子 出版社/メーカー: 偕成社 発売日: 2007/07/02 メディア: 単行本 購入: 2人 クリ…

上橋菜穂子『精霊の守り人』 歴史は勝者によって歪められる事、価値観や世界観、なんて人それぞれ、相対的なものにすぎない事、大切な事がつまった本。名作。 精霊の守り人 (軽装版偕成社ポッシュ) 作者: 上橋菜穂子,二木真希子 出版社/メーカー: 偕成社 発…

上橋菜穂子『獣の奏者』 闘蛇編、王獣編。全4部作の2部だけ文庫化されている。もともとこの2部で完結するつもりだったらしい。なので、これだけ読んでも十分満足できる。でもこれ読んじゃうと続きが読みたくなる。作品としての完全性が失われても、それで…

ブルボン小林『マンガホニャララ』 マンガには色々な楽しみ方があって良いのだ、と思わせてくれる名著。本書で紹介されていて未読の作品、まとめて買いたくなった。 マンガホニャララ 作者: ブルボン小林 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2010/05/27 メデ…

伊藤計劃『虐殺器官』 小島秀夫のファンだったと言うのがとてもしっくり来る文章、世界観、だった。夭折が惜しまれる。ミステリやSFは未開拓なのだけど、面白そう。じっくり開拓して行きたい。 虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃 出版社/メーカー: …

天久聖一『味写入門』(アスペクト) 電車の中で読んでても笑いが出てしまう。堪えきれない作品がちらほら入っているので外で読む時はその危険を認識した上で読んでください。 味写入門(あじしゃにゅうもん) 作者: 天久聖一 出版社/メーカー: アスペクト 発…

神山健治『東のエデン 劇場版』 アニメを見る時間がなくて結局、TV版も映画版も小説で先に読む事に。で、今改めてアニメを見ながら気がついたのだけど、小説の方が面白いかも、という事。結末はちょっと回収不足な物足りなさを感じたけれど、全体的にはとて…

ギュスターブ・フローベール『ボヴァリー夫人』(岩波文庫) 下巻。ようやく読了。エンマの転落人生。理想が現実に押しつぶされて身の破滅。くわばらくわばら。駆け落ちの約束を反故にして馬車で去るロドルフの姿を家の窓から見て失神するシーンとかも実に映…

佐々木俊尚『電子書籍の衝撃』(ディスカバー21) 実にわかりやすく、現状と想定される未来を描いていた。これをバイブルにして、出版界を志す若者も出てくるんだろうな。いや、出てきて欲しい。そういう若者と力を合わせて、変えていきたい、というか実現し…

鷲田清一『たかが服、されど服』(集英社) 鷲田清一と集英社という組み合わせが新鮮。だと思ったら、書き下ろしではないのね。イタリアで出版されたヨウジの作品集に寄せた原稿をまとめて出したものらしい。ここ数年、かなり衰えていた気がする。そしたら潰…

川端裕人『算数宇宙の冒険 アリスメトリック』(実業之日本社) 意外と、複雑な話が出てきてびっくり。ゼータ関数とか。数学が宇宙、世界の認識とどう繋がっているか、雰囲気がとらえられたのは面白かった。これ、高校生くらいの時に読んでいたらもう少しま…

庄野潤三『野菜讃歌』(講談社) 文芸文庫は素晴らしい。日常を紡ぐ作家さん、今では全然売れないんだろうなぁ。。こういうの大好きなんですが、時代がもう違うのかな。

車田正美『聖闘士星矢 冥王神話』(秋田書店) 1~2巻。ネクストディメンション、って言ってますが何も変わってません。シュールな副題です。絵も全く上達していません・・・。このべたべたな展開が、面白くないけど面白い。 江口寿史『ストップ!!ひばりく…

『ピアニストが見たピアニスト』(中公文庫) あんまり演奏家の伝記的なものを知らなかったので、へぇ、とは思うのですが、それ以上のものは無く。様々な人の発言やら評論やらを引用しながら色々言ってるのですが、で、結局何が言いたいの?という気分に。

増田奏『住まいの解剖図鑑』(エクスナレッジ) 家の設計に込められた工夫とか考え方とか。身近なものだけに面白い。家を建てたくなります。

ダンテ『神曲』(宝島社) ギュスターブ・ドレの挿絵がメイン、訳は抄訳で読みやすい。神曲の世界を画集を見る感覚で楽しめる。改めて読んでみると、ダンテって自分を主人公にして地獄巡るまでは良いけどその後完全に悟り開いちゃってるからね、冷静に考える…

黒井千次『珈琲記』(紀伊国屋書店) マニアックな話ではなく、日常の中にある珈琲の話。

高畑勲『一枚の絵から』(岩波書店) ジブリの高畑勲が好きな絵を語る、というもの。こちらは海外編。この手の本はアカデミックなお話はどうでも良くて、偏愛を語ってもらうのが一番面白い。ベン・シャーンという画家を初めて知った。また、色々と見てみたく…

桜玉吉『なげやり』(エンターブレイン) 自分の中で好きな作家ランキングかなり上位なのが桜玉吉。この圧倒的な無理矢理感がたまらんです。エムカミの当時のエピソードを綴ったコラムも面白い。でも、ほんとは新作が読みたいな。 西岡兄妹『ぼく虫』(青林…

クリス・アンダーソン『FREE』(NHK出版) 話題の本、ようやく読了。フリーはあくまでもロングテールの延長線上にあるように感じる。コストが分散されて意識する必要がなくなっている、という状態は今後もたくさん起こりうる。ミュージシャンの事例はCDでの…

西炯子『娚の一生』(小学館) 1~2巻。雰囲気のあるいいマンガ。俺も引退して田舎に住んでのんびりしたい。けど、お金無いのもいやだから働く。あ、あと個人的には捨て子の話要らないかも。 西炯子『電波の男』(小学館) 眼鏡男子萌え、みたいなことなの…

黒井千次『一日 夢の柵』(講談社) 黒井千次を読むのは初めて。今から4年前にこの本を買ったはずなのだけど忙しさにかまけて手に取る機会が無く。老人の日常、日常の中にいろんなものが潜んでいる感じが好き。電車の中で聞こえてくる新聞の音はドラマにな…

アンドリュー・ワイルマン『ザ・コストカッター』(プレジデント社) 訳が固い。内容も必要以上に固く感じてしまう。ざっと流し読みで誤植2カ所発見。イマイチでしたが、コスト削減チームを作って削減に向けて一気に動いていく感覚を学べただけでも今の僕に…

岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーのマネジメントを読んだら』(ダイヤモンド社) こういう分かりやすい入門書って大事だな、と思う。これ読むと自然な流れとしてドラッガーの『マネジメント』読みたくなっちゃうもんな。

ラリー遠田『この芸人を見よ!』(サイゾー) 人気芸人について語るネットでのコラムを1冊の本にまとめたもの。芸人に対してそこまで考えたことが無かったので、この本の視点が結構新鮮だった。ただ、いかんせんネットのコラム。もう少しじっくりと読みたい…

えのきどいちろう『我輩はゲームである。』(集英社) 其ノ壱、ということになってるんだけど弐巻は出るのだろうか。Vジャンプに15年間連載されている珠玉のエッセイを単行本化した素晴らしい本。ゲームについて語られた本の中でも最高の部類。時間はかか…

マルクス・アウレリウス・アントニヌス『自省録』(岩波文庫) ローマの五賢帝で一番名前長い人です。いつ死んでも同じ、富や名声に執着するな、他人に寛容であれ、といったようなことが色々と書かれている。きっとその時々で心に引っかかってくる言葉は違う…