貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

ゼミの卒論
 参考文献やテーマ等の報告があるため調べてみたり。大枠のテーマは「社会的責任投資(=以下SRI)」を扱うつもりでいたが、高校の時に新聞の片隅に載っているのを見て以来4年が経ち、日本でもかなりのブームになりつつある。実際、今年の年頭にテーマを決めたときはネットで検索しても大してなかったものが、ここ数カ月で一気に増えているから驚き。この間、三菱自動車の事件で企業の社会的責任(=以下CSR)がにわかに注目され始めたことと無関係ではあるまい。テレビ東京のオープニング・ベルも今日、明日とまさにSRIがテーマ。本当にブームが来たと言う感じ。しかし、その一方でにわかブームな気もする訳で。第一日本のSRIファンドではネガティブ・スクリーンを導入していないところもあるとか。つまり、欧米ならば煙草やアルコール関連の企業はSRIファンドからまっ先に排除されるのだが日本ではどうもそうじゃ無いらしい?CSRに基づく銘柄の選定方法等にまだまだいい加減な所がありそう。聞こえは良いからそれなりにお金は集まりそうだけれども、果たしてファンドとしての収益性に優れているのか、というのも肝心な問題。
 例えばイギリスでは年金の運用に関する法律には収益の最大化を常に考えなければならない、という条項があるらしい。つまりSRIの理念がどんなに優れていようとも、収益性において他のファンドに見劣りしないだけの物がなければ公的な資金の運用には使えない、と言う訳。で、日本だったらどうなるのかしら。この動きは定着するのか。最終的にSRIの何について書こうか、なかなか悩まされる・・・。
 まったく逆に、収益性とは関係のないSRIと言うものも存在する。というか、高校の頃新聞で読んで妙に感動したのはこちらの方の話。例えば環境に配慮しない経営を続ける会社に投資し、株主となることで企業の内側からそうした態度を改めさせていく、と言ったもの。ヒステリックに「地球に優しく!」とか叫ぶよりよっぽどスマート。資本主義の枠組みの中で、しかもまったくの正攻法で世の中を変えていけるかもしれない、って所に最初に気づいた人は賢い。お金で大抵のことが片が付く時代だからこそお金の使い方を考えないといかん訳で、まぁそれなりに経済学部で良かったのかもしれんとも思う今日この頃。