貼雑歩録 Ver.2.0

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ちくま日本文学全集 武田泰淳』(筑摩書房)
辛亥革命をテーマにした「秋風秋雨人を愁殺す」、人肉食をテーマにした「ひかりごけ」の2作品は重い。「もの喰う女」や「女賊の哲学」といった佳品との雰囲気の違いにちょっと戸惑う。「司馬遷伝」は大義名分を重んじ、義に生きる、といった中国の歴史小説の世界を思い出し懐かしかった。しかし冷静に考えてみると司馬遷史記』を読む人は現代では少ないんだろうなぁ。様々な英雄豪傑が出てきて非常に楽しいんだけれども。何はともあれ、武田泰淳はもっと読む予定。本書はとりあえず色々なタイプの武田泰淳が楽しめるようになってるんだな、という印象。様々な作品から1冊の本を編むというのは簡単な様で意外と奥が深いのかもしれない。

武田泰淳 (ちくま日本文学全集)