貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

スタンリー・キューブリック『時計仕掛けのオレンジ』
早回しセックスシーン(オレンジ風に言うならイン&アウトシーン)とか映像的にも新鮮なアイデアが。衣装や美術も良いし、キューブリックが大好き、とりわけオレンジがベストムービーな人の気持ちが良くわかった。キューブリックは徹底的に作りこまれた世界。その作り混み具合とかうまさとか凄いと思うし認めるけど、同時にそこに限界がある気もするわけで、でもまぁ堅いこと言わずにこれはこれで凄い、で良い気もする。
鈴木清順『けんかえれじい』
高橋秀樹がめちゃめちゃ若い。ナンセンスなギャグも多いので最後のシリアスさにはドキッとする。北一輝かぁ。去年の文化祭で上映&講演会をやった吉田喜重の『戒厳令』を思い出すな。主人公の恋心を脱いだ靴を並べるシーンで示したり、さすがにうまい。障子越しの手のシーンは秀逸。ヒロイン役の浅野順子はとても綺麗なんだが、この人大橋巨泉の奥さんらしい。うまいことやったなぁ、巨泉。
ティム・バートン『マーズ・アタック』
あの火星人の絵だけ見てかなりナンセンスな作品なのかなぁ、と先入観を持っていたけど実際はちょっとシリアスなパニック映画。トム・ジョーンズはチラっと出るだけのご愛嬌かと思いきや、後半結構出てたなぁ。ただそのB級ぶりを楽しむのもありだけど、火星人の振る舞いはアメリカの振る舞いそのものっていう視点で語るとぐっとシリアスさが増す作品。必死に手を握り合おうとした時に手がもげるシーンとか、良いね。
ルイ・フイヤードファントマ
フランスのサイレント映画。活弁みたいなのが入って放送されたのだけど、耳触りなので音を消して見た。どうも説明臭くなったり、話し方が単調だったり、ない方が良いくらいの代物だった。音を消すと会話とか自分の想像力で補わないといけない訳で、そこがまたサイレント映画の面白い所。気を抜くと眠くなるのだけど、まぁ仕方ない。お話はいわゆる怪盗もの。シリーズ化されたようでこれはその1作目。

 

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