貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

レイ・ミュラー『レニ』
レニ・リーフェンシュタールのドキュメンタリー。オリンピアの映像は確かに凄い。映像のセンスは抜群だったと言える。でも、そんな才能が無かった方が彼女は幸せだったのかもしれない。戦後、ナチ協力者としての烙印を背負い102才まで生きたレニ。このドキュメンタリーはその問題から逃げないところが偉い。ナチとの関係を問いただすような質問も容赦なく浴びせる。彼女の言い分は、政治的な関心など無かった、ただ映画を作っていただけで、自分の作品にベストを尽くしただけだ、と。おそらく正直な思いなのだろう。だとすれば彼女は自分の作っている作品の影響力を客観視する程には知性的では無かったと言う事か。国民の90%が熱狂していた時代、私に何ができたと言うのだ、と。それにしても、今となっては自分の作品がナチのプロバガンダとして利用されていたことをもう少し素直に受け止めても良いのではないか。彼女の言い訳はやや説得力にかける。というのも、彼女自身この映画で話しているシーンがあるが、同時代に女優として活躍したマレーネ・ディートリッヒはヒトラーの説得を断りアメリカに移住、反ナチの活動をしているのだ。戦後、国民の反感を買い続けたのもひとえに彼女の態度のせいだと思われる節がある。仕方無かった、そんなつもりじゃなかった、の一点張りでは反感は解消しないだろう。しかしその一方で、彼女が作った作品を何でもかんでもファシズムに結びつけるのはどうかと思う。後年のアフリカの作品などにファシズム的な美学がどうの、とか言ってもしょうがない気がする。肉体美に魅せられる事がファシズムに繋がるのならバレエやダンスは皆ナチなのか、と。謂れのある非難と謂れのない非難の両方に苦しみ抜いた人なんだな、と思った。最後に、くり返しになるが、オリンピアの映像は凄い。ASIN:B00006S25P
ルパン三世2ndTVシリーズ 25』
145~150話。「死の翼アルバトロス」は完全に宮崎駿の世界になっている事はこの前書いた通り。次元が大活躍の「ターゲットは555M」も力作。555メートル離れた所から強化ガラスをぶち抜くお話。1発じゃびくともしないから同じ所に何発も当てないといかんと言うとんでもない設定なのだけれど、コレどこかで同じような話を見た様な・・・。そうだ、ゴルゴだ!
ルパン三世2ndTVシリーズ 26』
151~155話。最終回である第155話「さらば愛しきルパンよ」も宮崎駿の手によるもの。これはナウシカそっくりの女の子がラピュタの飛行兵みたいなのに乗っていきなり登場。ここまでくると、もはやルパンではない。何はともあれ、全部みたぞ!!快挙!