貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

アントン・チェーホフチェーホフ全集 1』(中央公論社)
初期の小説31篇を集めた物。短編が多い。チェーホフは家が貧しく、若い頃から家族を養う必要があったために小説を書きまくった。この全集には500を越す小説が収録されているというから驚く。とにかく書きまくっていたことは既に1巻から窺えて、様々な形式、趣向で書き散らしている。小話のように巧く落ちのついている短編は後に短編の名手と言われるようになる才能の片鱗があるのかも。とはいえ、本当に面白いと思う作品は少なかった。中期位の巻から読み始めるべきだったかもしれない。