貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

フリッツ・ラング『死滅の谷』
1921年の作品なのだけど手の込んだ事を色々やっている。ブニュエルはこの映画を見て映画を撮ろうと思ったんだとか。そう言われて見ると何となくわかる気がするような。冒頭、街の有力者達を1人ずつアップで写していくところに妙な迫力があった。蝋燭だらけの部屋や壁の入り口を通って長い階段を上るシーンなど造形的な美しさも随所に。最後の中国での挿話は、まぢありえんくらい東洋の歪んだイメージの連続で、30センチくらい伸びてる爪をくねくねさせる皇帝とかマリア様の顔した千手観音とか、失笑するしかない・・・。