貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

清水早苗『アンリミテッド:コム デ ギャルソン』(平凡社
NHKの番組録画してあるからいいやと思いきや未収録のインタビューが載ってるという事で慌てて購入、一気読み。ギャルソンが好きっていうか、まぁそりゃ好きなんだけど、基本的に川久保玲の物作りへの姿勢が好き。口だけじゃなくて、実際に新しい物を作り続けているし、ビジネスとしても成功させている点でも希有の存在。口だけの人が多い中、現実世界で実現させている所は尊敬するしかない気持ちになります。負けそうになったらこの本開いて自分を研ごう。モノ作りに関わるすべての人のバイブル。

「そのとき自分がきれいだなと思ったことをやったにすぎないのです。ただそれに対して、たくさんの反発を受けました。こんなにきれいなものが皆さんにとっては恐ろしいもの、きれいなものではないのか、ということを初めて知ったぐらいです。結果的には、それが次のもの作りをするための刺激になりました。ああそうですか、わかりました、皆さんの思うきれいなものを作りましょう、とはまさか思いませんから。なんでわからないんですかと、むしろ居直りました。」

 

 

「一番困るのは、いろいろな考え方がひとつにまとまって、それが正しいとされてしまうことですね。それぞれの目的とか考えがあるわけですから、いろいろなものが連立して、それぞれの価値が生かされるということを、作る人も消費する人もわかっていないと、一時的に一つの方向に行って、それがなくなったら次っていうふうに全員が動いてしまう。でも、みんなスパンが短いですよね。仕事をしていて、いつも思うことです。」

 

アンリミテッド:コム デ ギャルソン