貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

やる気になったせいか
ものすごく仕事がはかどってしまった。そして面白い記事3連発。
〈現代雑誌事情:上〉個性薄れ落ち込む部数
「日本ABC協会調べの昨年上半期の平均実売部数を96年と比べると、劇的な変化が読み取れる。「週刊現代」72万→44万、「週刊ポスト」(小学館)86万→40万、「non・no」(集英社)94万→34万、「with」(講談社)74万→36万、「Tokyo Walker」(角川クロスメディア)40万→8万……。」ネットや携帯も要因のひとつだとは思うけど、何よりも雑誌の刊行点数が増えまくりですよ。そのくせ市場規模は拡大せず、それどころか少子化の煽りを受け微減続き。年々縮小するパイに向けて日々新しい雑誌が出てくるってのは困りもんですね。まぁたしかに、画一的な雑誌ばかりかもしれないけど、斬新なら売れるのかってのは別問題な気もします。確かに創刊時の勢いってあったのかもしれないけど、あの頃と同じようながむしゃらさで作ったって今は売れない気がするな。
〈現代雑誌事情:中〉電子雑誌に挑む出版社
「主婦の友社は昨年休刊した女性誌「éf(エフ)」を、電子雑誌「デジタルéf」に衣がえした。会員に無料公開中だが、2月25日から有料化する。1号700円で、1年の定期購読なら1号あたり245円。無料会員は今2万人余りいるが、「スタート時点で1万人が有料会員に移行してくれれば」と、担当の渡部伸ライツ事業部長は期待を抱く。」この見通しの甘さはなんなんでしょう?半分も残るわけないし、無料の時点で2万人しか集められていない事実をもう少し重く受け止めるべきなのでは・・・。「ネット広告の代表格は閲覧数、クリック回数などが料金に反映するバナー広告だが、電子雑誌は「1ページあたり○円」という紙と同じような広告単価を想定している。だが、広告効果も不明なだけにその相場はまだ確立していない。」雑誌広告に対してネット広告は表示回数からクリック数、どこからそのサイトへ来たかなどのユーザー情報が取れるから、クライアントは自分たちの広告の効果を数値化しやすい。比べてしまうと雑誌広告ほど効果がわからんものもないでしょう。雑誌の広告が減ってネットが急増している流れにはクライアントの広告効果を把握したいっていう意識が少なからず影響していると思うのだけど。で、何が言いたいかというと、ネット上でもページ単価で売ろうとする発想はちょっと違うのでは?雑誌みたいな本当に売れている部数すら公開しないで済むいい加減な業界ではないと思う、ネットは。
〈現代雑誌事情:下〉ブランド使い通販・無料誌
「集英社の小林さんは「出版社は雑誌がブランドであるという認識が乏しかった」と話す。」しかし、ブランドだったんだって気が付いても、じゃあ何がブランド力でどう使って良いのか、まだ誰もわからないわけです。そして、鋭い指摘だな、と思ったのはこれ。「これに対し、電子雑誌や、通販、無料誌などのブランド事業は基本的に、出版社と読者、広告主の間の関係にとどまる。これらの事業が軌道に乗っても書店などには恩恵がないのだ。」そう、僕らは新しいことをしようとしているけれど書店を巻き込んだ業界全体の活性化というわけではないのです。もはや出版社も自分たちの利益を考えることで精一杯ってことなのかな。