貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

江戸川乱歩江戸川乱歩全集 7 黄金仮面』(光文社文庫)
海外物の翻案って言うのは面白いな。探偵小説関係ではかなり例があるみたいだけど、普通の小説とかでは余り聞かないのはなぜかしらん。「黄金仮面」では海外の探偵小説の超有名キャラクターが登場。それは怪盗アルセーヌ・ルパンなんだけど殺人を行わないと言う掟を日本では破りまくるルパンの心のなかに黄色人種への差別があるっていう設定が面白い。また、日本でのルパンの恋人の名が不二子なのだけど、これはルパン三世と偶然の一致か?峰不二子のネーミングは適当につけたなんてエピソードも聞いたことあるけど、真相は如何に。引用箇所はそんな不二子が警察に捕まったらどんなことをされるのか、と想像するところ。ズレっぷりが笑える。

 怖い顔をした刑事達に、柱にしばりつけられ、コチョコチョコチョコチョと、執拗にわきの下を擽られている、あさましい我身の姿が、幻の様に浮んで来る。

 

「黄金仮面」p.219より

 

江戸川乱歩全集 第7巻 黄金仮面 (光文社文庫)