貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

2003-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ホルへ・ルイス・ボルヘス『ボルヘスとわたし』(ちくま文庫) ボルヘスによる自選短編集。伝奇集より読みやすいものが多かった気がする。各短編ごとにボルヘス自身の解説が付されている事に加え、ボルヘスの自伝も収録。これが結構面白かった。

内田百間『内田百間集成7 百鬼園先生言行録』(ちくま文庫) 相変わらずの屁理屈。この頃もうすぐ完結かと思いきや、第2弾が刊行されることが決定。なんと全24巻の大規模なシリーズへと発展するのでした。

ブラントーム『好色女傑伝 下』(講談社文芸文庫) 艶笑文学の傑作。ユーモアたっぷりに書かれた貴婦人達の性態。史料的価値も高いらしいです。とにかく楽しいので言う事無し。将軍曰く、突撃、退却、突撃、退却を繰り返して最後は突撃に次ぐ突撃、突撃ある…

松本俊夫『表現の世界』(三一書房) 考えさせられる指摘が多かった。古臭さを感じさせる所もあるが、まぁ仕方あるまい。と当時の一行メモには書いてあるんだけれど、何が考えさせられる詩的だったのか、書いてなきゃ意味ないわけで。この本は所有していない…

松本俊夫『映像の発見』(三一書房) アマゾンで松本俊夫で検索しても出てこない。アマゾンの限界、ってまぁそりゃ仕方ないか。映画監督松本俊夫の映画論集。あの『薔薇の葬列』『修羅』を撮った松本俊夫ですよ。実験的な作品だけど誰がみても楽しめるはず。…

マルセル・プルースト『失われた時を求めて 5』(ちくま文庫) 思えばマドレーヌを食べたのはもう遠い昔のこと。やっと5巻読了、まだ半分だ。読んだら読んだでつまらなくないんだけど、モチベーションを保つのが大変。この巻は比較的読みやすく、面白かっ…

ル・クレジオ『調書』(新潮社) ル・クレジオのデビュー作にしていきなりのゴンクール賞候補に。惜しくも落選したものの、五大文学賞の一つであるルノドー賞を受賞。ル・クレジオはカミュ『異邦人』以来の華々しいデビューを飾り、話題に。とにかく実験的な…

鮎川信夫『鮎川信夫詩集』(思潮社) 北村太郎は相当ほめていたので読んでみた。そこまで強烈にはこなかったがでも良い。もっと読みたい。とりあえず、有名なのを引用。 死んだ男 たとえば霧や あらゆる階段の跫音のなかから、 遺言執行人が、ぼんやりと姿を…

北村太郎『北村太郎の仕事2 散文I』(思潮社) とにかく色々詩が読みたくなった。北村は鮎川信夫をべた誉めしている。非常に読んでみたくなるが、すべて鵜呑みにしてはなるまい。自分で読んで判断するべし。あと女流詩人に興味をもつ気っ掛けにもなった。…

朝吹亮二『密室論』(七月堂) 朝吹亮二の最高傑作にして、非常にレアな詩集。装丁がとにかく凝っていて、届いたときにはビックリした。この人に関する写真もないのが非常に残念。今はもう余り活発に活動していない様だが、アホな学生に語学教えてる場合じゃ…

北村太郎『北村太郎の仕事1 全詩』(思潮社) 最後の詩集が入ってないので厳密には全詩ではない、と聞いたことがあるが、永久保存版といっても良い良書。北村太郎に関する画像が見つからず。なので画像無し。と思ったけど荒地詩集の画像発見。ISBN:47837229…

『千一夜物語 11』(岩波文庫) イスラム教の世界観が面白い。キリスト教とか神話とかごちゃ混ぜな感じ。キリスト教を踏まえて出来あがった宗教だから当たり前と言えば当たり前なんだけど、ごった煮の様で面白い。キリストの存在も預言者の1人として認め…

『日本の詩歌全集20 中野重治・小野十三郎・高橋新吉・山之口獏』(中央公論社) 中野そこそこ、ダダイスト新吉面白かった。小野も悪くない。ってな感じだけどもう今となってはあまり覚えてない。ダダイスト新吉は語呂も良いし、強烈な詩だったなぁ。