貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

2003-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ナンシー関『ナンシー関大全』(文藝春秋) 惜しい人を亡くしたもんだ。徹頭徹尾、視点の人。物事をみる角度で世の中はこれだけ面白くなるんだなぁ、と。

ジョン・クレランド『ファニー・ヒル』(思潮社) エロティック文学の傑作。自由闊達な書。吉田健一の訳も良かったし、解説も面白かった。中断している千一夜物語を読みたくなった。写真は昔の園書房版『ファニー・ヒル』、すぐに摘発されたらしい・・・。

ウィリアム・バトラー・イエーツ『イエーツ詩集』(思潮社) 後書きが非常に面白かった。読みたかったのに螺旋階段が入ってなかったような。。。美の司祭読みたい。

『谷崎潤一郎全集 1 刺青・幇間・悪魔・秘密・羹・少年・続悪魔 他』(中央公論社) 久しぶりの谷崎。初期の作品はまぁまぁといった所か。『刺青』は強烈なイメージだけど、あれは谷崎の一面でしかない。

ガルシア・マルケス『予告された殺人の記録』(新潮社) 『百年の孤独』が凄かったのでこれも読んでみた。マルケスは凄いかもしれない。懐の深さを感じた。

エズラ・パウンド『パウンド詩集』(思潮社) 注釈をつけ始めたらいくらでもつけられるのだろうなぁ。いやはや、でも正直疲れた。ふー。吉増剛造の解説は分かりやすい。

ハンス・カロッサ『カロッサ詩集』(小沢書店) 光の詩人、地味だけど味わい深い。訳によってもっと魅力を引き出せるような気もした。小沢書店が潰れたのは非常に残念。

阿部岩夫『ベーゲェット氏』 ダークでエロティック。良かった。阿部岩夫、他にも読みたい。ISBN:4783702632

ジョナサン・スウィフト『ガリヴァー旅行記』 非常に面白かった。ウィットに富んだ名著。ウィット言うか結構辛辣なブラックユーモアに満ちている感じだけど。神保町の北村書店に初版が100万くらいで売っていたのだけど、この前見たら無かった。もしや、売…

野村喜和夫・城戸朱理『戦後名詩選1』 詩のオムニバス。こういった試みは面白いと思う。とりあえず広く浅く詩人を知りたければ略歴とか載っているので、便利。ISBN:4783709297 トリスタン・ツァラ『トリスタン・ツァラ詩集』 ダダ!言葉が自由になった感じ…

衣更着信『衣更着信詩集』(思潮社) 「荒地」の最初から参加しているにもかかわらず、途中から郷里四国に帰り地方で詩を書き続けた詩人なので見逃している人も多いかも。田村隆一のような派手さは無いけれど、落ち着いた語り口は非常に魅力的。荒地派は本当…

エリック・サティ『エリック・サティ詩集』(思潮社) サティの曲名を見ればわかるように独特な言語感覚を持った人。曲につける歌詞とかを集めたもので、いわゆる「詩」として書かれたものではないけれども、面白い企画だと思った。サティの曲が聴きたくなる…

ライナー・マリア・リルケ『マルテの手記』 文章に雰囲気がある。良い文だ。ISBN:4102175032 内田百間『内田百間集成9 ノラや』 とにかく猫が好きでしょうがないんだなぁということが目次だけでわかる。猫の事で号泣できる百間の人情味が味わえる一冊。

松浦寿輝『松浦寿輝詩集』(思潮社) なかなか美しい言葉が詰まっていた。でも詩人としては朝吹亮二の方が上かな、なんて思ったりもする。 オクタビオ・パス『オクタビオ・パス詩集』(土曜美術社) ヒンズーやら漢詩やらの比喩など出まくり、読書家なんだな…

鷲田清一『皮膚へ』(思潮社) 自分が服飾全般に興味を抱くきっかけになったのはこの人の本だった。浪人時代にモードに関するものを集中的に読んで、その後はあまり読んでいなかったので、久しぶりの鷲田体験。数ある著作の中でも相当面白い方だと思う。ユベ…

フェルナンド・ペソア『不穏の書、断章』(思潮社) 名著。この人も数少ない海外詩人でぐっとくる人の1人。複数の人物として創作、とても不思議。ポルトガルに行きたくなる。リスボンを散歩したくなる。でも、刊行数少ないのが残念。

レイモン・ラディゲ『肉体の悪魔』(新潮文庫) 初読の感想は「大したことない印象。そんなに面白いとは思わなかった。映画見たい。」だったらしい。まぁ心理描写とかあんまり興味なかったからなんだろうか。新訳が出ているっぽい。あんまり覚えてないのでそ…