貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ『トランス・アトランティック』(国書刊行会) さっそく読了。相変わらずの壊れぶり。すたすた歩きに拍車騎士団、バカボコ殺人で笑いが伝染、笑ってバカッ、笑ってボコッ、バカバカ爆発!って書いてもホント意味わからないだ…

魚住昭『渡邊恒雄メディアと権力』(講談社文庫) 冒頭、野中広務が料亭で土下座するシーンから始まるのは衝撃的。他の新聞やTVにも派閥記者と言うのはいたけれど、その影響力はあくまで社内。他社の記者や議員さえも挨拶に来る程の派閥記者と言うのは後に…

フェルナンド・トルエバ『カジェ54』 ラテンジャズの音楽映画。プレイヤーの簡単な紹介にとどめ、全編ほぼ演奏シーン。フラメンコとジャズの融合はちょっと衝撃的。とにかく演奏が熱い!そして目まぐるしいリズム!CD欲しくなった。

村上春樹『アフターダーク』(講談社) 字がデカイ。まず、それが気になる。普段本を読まない人にも読んで欲しいと言う思いの現れなのだろうか。にしても、やっぱりちょっと不格好だし、違和感を感じる。過去の作品も文字を大きくした新レイアウトで刊行する…

押井守『イノセンス』 なんか映像の暴走、ってな感じをちらほら感じてしまう。所々ゲームの動画みたいに思えてしまったりとか。なんつーかCGはスンゴイけど、でもなんか違和感というか、落ち着かないというか。単純に無駄なカットが多い気がするってのもあ…

長田弘『詩人であること』(岩波同時代ライブラリー) この人の言葉に関する文章は良い。さすが詩人。あと、アンデルセンが読みたくなる。「アンデルセンの物語の中にはいつも風が吹いている」とか言われると、やっぱり無性に読みたくなってしまう。確か岩波…

イ・ジェヨン『スキャンダル』 ぺ様が出ている韓国版『危険な関係』、こないだ見たばっかりなのでどんな風に翻案しているのか見ていてたのしかった。ヨーロッパに比べて韓国が舞台だとより淫美、というか、背徳的。儒教道徳のシバリの方がキツそうだから。

シャーウッド・アンダソン『ワインズバーグ・オハイオ』(講談社文芸文庫) 前半の数篇はなんと言う事のない話なんだけど良かった。落ち着いていて、素朴さがあって。後半は人が増えてきたからかゴチャゴチャしてきた感じ。活字中毒の禁断症状、少し治ってき…

モンキーパンチ『愛蔵版 新・ルパン三世1』 2ndTVシリーズは旧作からだけじゃなくてこちらからもネタを頂戴している事が判明。カットの1つ1つが大きくなって見やすくなった印象。大胆なカット割りと毎回の強引とも言えるオチのつけ方に感心。

ロジェ・ヴァディム『危険な関係』 脚とか背中を綺麗に撮るなぁ。「愛してる、君が僕にそう言わせるんだ。」ラクロが書いた原作はもう5回くらい映画化されているらしい。この映画のBGMは全編ジャズ、しかもセロニアス・モンクなど一流ミュージシャンの演…

久保田 萬寿 新潟の地酒屋に注文、1升瓶2本届いた。やっほー。

『ルパン三世2ndTVシリーズ 13』 徳光さんにそっくりなアナウンサーが出てきてその声を徳光さんがやっていたり、遊び心たっぷり。

タカハタ秀太『ホテル・ビーナス』 想像以上に良かった。全然期待せずに、ただタグボートの麻生哲朗の脚本がどんなもんか見たくて見たのだけど。脚本の言葉はさすがに1つ1つ丹念に書かれている感じ。でもそれだけじゃなくてちゃんと演出もうまかったと思う…

出版流通対策協議会『本の定価を考える』(新泉社) 2冊読んで再版問題、なんとなくわかってきた。ポイントをまとめておこう。 再販価格は競争価格 再販売価格維持制度(=再販制)は一見すると製造者側が販売価格を指定、価格競争を阻害するカルテルの様な…

庵野秀明『新世紀エヴァンゲリオン 5~8』 これが12CHの夕方、定番のアニメ枠で放送されてたんだな、と思うとちょっとビックリする。ラスト2話の突っ走り方はTVの18時アニメ枠を越えてるわな、絶対。別にこれ自体は楽しめるけどこれにはまっちゃ…

庵野秀明『新世紀エヴァンゲリオン 2~4』 ひょんな事から再見し始めたら結末気になりそのまんま見続ける。昔見たとは言えほとんど覚えていないものだなぁ、としみじみ思う。なんか最近アニメばかりな気がするけれども、マイアニメブームが来ているうちに…

田中徳三『新・座頭市物語』 シリーズ三作目。三作目で既にカラー!金に目が眩んで悪事を働く師匠をたたっ斬る、というお話。右腕をかけたサイコロ勝負など人情味もたっぷり。かなりバランス良く出来てる。傑作。この頃の市は斬りたくないのに人を斬り、言わ…

ウォシャウスキー兄弟『マトリックス リローデッド』 スローモーション、使いまくりになってたなぁ。余りにも速い動きを遅く撮る事で表現するってのは発見なんだろうし、サッポロのCM(=卓球)とか影響力も大きかった訳だけど、こう頻繁にやられるように…

加茂英司『再販制と日本型流通システム』 再販制がある(もしくはあった)業界って相当多い事を知らなんだ。薬や化粧品、電機機器まで。再販制が悪い制度であるかの様な言説が多いけれども一概には言えない事も分かった。独占禁止法は企業間の競争を促進して…

前野直彬『唐詩選 上』(岩波文庫) 期待してた程には面白くなく、、といった感じ。上中下一気に買っちゃったからなぁ・・・。このシリーズよりも李白や杜甫の詩集を買っとけば良かった、と思う今日この頃。ISBN:4003200918

加茂英司『再販制と日本型流通システム』(中央経済社) 初めてアマゾンで買い物、今日届く。便利。

五十嵐大介『はなしっぱなし 下』(河出書房新社) ザアザアと言う雨音は雨自体の音じゃなくて、雨がはっぱや石にぶつかってたてている音で、一瞬に幾億、幾兆の音がなり、それが絶え間なく連続していく無限の音の交響楽、そんな風に雨の音を認識できる感性…

スタンリー・キューブリック『現金に体を張れ』 キューブリックは嫌いでもないけど好きでもないけど好きな人は多いよなぁ。もっともそんなに見てないので悪口は言えないしこれから好きになる可能性も結構あるけれど。これもそこまで面白いとは思わなかったけ…

茂木健一郎『脳内現象 <私>はいかに創られるか』(NHK出版) コテコテの文系なので所々難しいと感じる所もあったけれどクオリアとかメタ認知とか非常に興味深い。メタ認知と言うのは自分が世界を認識している事自体を、言わば外側から認識し直す心の動き…

『グレン・グールド エクスタシス』 グールドのドキュメンタリー。批評家や音楽家、マネージャーやレコードのプロデューサなどのインタビューを組み合わせたもの。あの奇抜な演奏自体はちょっとしか見れないのが残念。しかしグールドは自らのTV番組を持っ…

チャン・イーモウ『英雄 HERO』 予告篇の湖のシーンはCGじゃないという話を聞いて、本当に鏡の様に反射する様に撮ったなんてがんばってるなー、と思って期待しつつ見たんだけど、8割戦闘シーン、しかもワイヤーである事がミエミエのぎこちなさ過ぎる動き…

『攻殻機動隊 Stand Alone Complex 7~13』 一気に見る。状況説明的な台詞が出てくると大抵の場合いらないのに、と思うんだけどこの作品の場合はそんなに不快に思う事無く受け入れられたのはそういった台詞を発するのが機械だったからかもしれない。蘊蓄…

『攻殻機動隊 Stand Alone Complex 1~6』 1~12話まで。遅ればせながら攻殻を観賞。なかなか面白い。凄い世界感。1話完結の体裁を取りつつも微妙に一つの事件に収斂されていくので引き込まれる。早く続きがみたい。

『ルパン三世2ndTVシリーズ 9』 49~54話。オープニングが変わってビリヤードバージョンに。初めて前編後編に別れる話も。54話でちょっとかっちょいいBGMが。でもまだ頻繁に使われず。 『ルパン三世2ndTVシリーズ 10』 55~60話。一通…

武田花『仏壇におはぎ』(角川春樹事務所) 武田花は泰淳の娘さん。食べ物にまつわる思い出にちょっとした写真を添えた佳作。こういう本をぼけ―っと読むのは何よりの贅沢。武田花は第15回木村伊兵衛賞を受賞しているのだけれど、その時の写真展のタイトル…