貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

2003-03-01から1ヶ月間の記事一覧

チャールズ・ディケンズ『デヴィッド・コパフィールド 2』(岩波文庫) 本書は、モームが世界の10大小説の1つに選び、ディケンズ自身も「自分の全著作の中で、一番気に入っている」と語っている自伝的作品である。が、そんなに良いか?ドタバタのストー…

チャールズ・ディケンズ『デヴィッド・コパフィールド 1』(岩波文庫) ちくま文庫と岩波文庫で一斉にディケンズ復刊ブーム?『荒涼館』と一緒にまとめて買ったものの、ディケンズは大して面白くないんじゃ無いかと思い、ちょっと読むのを先延ばし。さて、…

アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記5 アースシーの風』(岩波書店) 前作の固さを克服!テーマは著者の死生観、文明観という大きく、重いものだが、ファンタジー小説としての柔らかさも保っている。やはりゲド戦記は深さと柔らかさの両方が無いとダメ…

アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記4 最後の書』(岩波書店) この本が、ゲド戦記の最後の本、のはずだった。実際かなりの長期間続編は書かれなかったし誰もがこれで最後なのだと思ったはず。本書ではゲドはすべての力を使い果たしている。雰囲気はか…

アレクサンドル・ソクーロフ『エルミタージュ幻想』 全編をワンカットで撮り切ってしまった問題作。ドキュメンタリーの様な長回しを予想していたらとんでもない。画質はとても良く、一体どのように撮っているのか不思議になってしまうくらいのクレーン撮影が…

村田純一『色彩の哲学』(岩波書店) 先輩が昔読んでいたので買ってみる。後半面白かった。きっと凄く面白いんだろうけど自分の知識不足を感じる。哲学系の本を読むと自分の理解力のなさ、知識量のなさに悲しくなるなー。向いてないかな。その内気力十分のと…

ブラントーム『好色女傑伝 上』(講談社文芸文庫) 嘘か真か、当時の性風俗に関する面白い話が満載。語り口も乙なもので野坂昭如ばり。寝取られ夫の事をコキュと呼ぶ事を知る。そういえばコキュって服あったよな。。男が着たらみんな寝取られ夫か・・・。ヨ…

尾崎翠『尾崎翠集成 下』(ちくま文庫) 尾崎翠の不思議世界爆発。愛すべき作家。千夜千冊で取り上げられているのでそこを再読してみたが、抜粋されてる文章が良い感じだったのでここにも載せておく。尾崎翠20歳のときの文章。それにしても小学校の名前が…

アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記3 さいはての島へ』(岩波書店) 普通、主人公のゲドが大活躍して魔法をドカンドカン使って竜でも退治しそうなもんだが、3巻でのゲドは大賢人の地位にいるものの、もう老年。そう、壮年期なんてすっ飛ばしてしまう…

友人の映画に使うポートレイトを撮影。初めて本格的なポートレイトを撮った。モデルもなかなかきれいな子でやりがいがあった。期待されているようなので暗室頑張りたい。日本映画に関する知識の不足を感じるのでお勧めの本を聞く。篠田正浩や吉田喜重の本を…

アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記2 こわれた腕輪』(岩波書店) 小学生のときに読んだ記憶が一番鮮明にある巻。ひたすら暗い洞窟の中を徘徊するイメージが強烈に残っていたのだろう。地味な魔法、強いのに力を使わないゲド。怪物が出て来たり、魔法…

アーシュラ・K・ル・グウィン『ゲド戦記1 影との戦い』(岩波書店) ファンタジー小説の傑作。小学校の図書館で初めて出会って以来10数年ぶりの再会。小学生のときは単に楽しいファンタジーだったが、今読み返してみると意外と深い。この世界の魔法は「…

スタンダール『赤と黒 下』(岩波文庫) 前半やや緩慢だが中盤以降のってきた。フランス心理小説の最高峰、らしい。いやはやけっこう内容を忘れてる。ま、そういう事もよくある事やね。いずれじっくり再読する事もあるだろうな。ISBN:4003252640

スタンダール『赤と黒 上』(岩波文庫) 今さら読んでみようと思う。スタンダール。なんで今まで手をつけていなかったのか、不思議な感覚。なかなか面白い。小説中に突如現れる作者。ISBN:4003252632

野坂昭如『エロトピア』(国書刊行会) 古今東西のエロ話。後半飽きてきたけど全体的に面白かった。妻という字は「ヒトヨニイッポンサスオンナ」と書く、には脱帽。

ジョン・ホーン・バーンズ『画廊』 相当古い本。架空の画廊を巡りながら話は進む。展覧会の絵の小説バージョンと言った趣き。あまり面白くない。セプルベダは素晴らしかったのだが、長田弘のお勧め本にも随分ブレがある気がした。

ルイス・セプルベダ『パタゴニア・エクスプレス』(国書刊行会) どうって事のないお話がとても豊かである事に気付く。地味だけどこれで良いのだ。素晴らしい。

『谷崎潤一郎全集12 蓼喰ふ蟲・三人法師・乱菊物語』(中央公論社) この巻はどれも面白かった。この全集は古いものなのでもちろん旧仮名なんだけれども、「蓼喰ふ蟲」は「蓼喰う虫」ではなくて「蓼喰ふ蟲」の方が雰囲気が出るよな、と思う。せめてタイト…

ジョン・フォード『ミッドウェーの戦い』 ジョン・フォードの戦時中のドキュメンタリー。こんなものを作ってるとは知らなかった。掘り出し物ではあるが、どうと言う事は無い。ドキュメンタリーとは言っても多分軍に頼まれて作ったんであろうアメリカ軍が活躍…

エリア・カザン『波止場』 アカデミー賞的に良い映画というのはこんな感じなのかな。たしかに不正に立ち向かうマーロン・ブランドと言うのは良いお話だけど。でも並な印象。

キング・ヴィダー『麦秋』 これもまた平凡な印象。可もなく不可もなく。こてこての社会主義映画。

大岡昇平『レイテ戦記2』 極限状態での選択の連続。手に汗握る。 大岡昇平『レイテ戦記3』 資料と資料の間から物語が生まれてくる。この本を書き上げるまでの労力を思うと脱帽。 レイテ島の土はその声を聞こうとする者には聞こえる声で、語り続けているの…

ジェームス・W・ホーン『キートンの大学生』 キートンは面白い。このクオリティのものが集まっているならDVD50本3万は安い。 ヴィクター・シャーツィンガー『ギャグニー、ハリウッドへ行く』 が、そんなに名作ばかりな訳も無く、こういう凡作もある。…