貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

世耕弘成『プロフェッショナル広報戦略』(ゴマブックス株式会社)
小泉自民党が圧勝した2005年衆院選、自民党は初めて「コミュニケーション戦略チーム」を作って戦略的なPRを行ったのでした。その設立までの過程や、情報戦の模様をチームの長だった人がまとめたのがこの本。元々NTTの広報部で、ボストン大学でプロジェクトマネジメントを学び、それを今度は政治の世界にも活かせないか、という発想。政治の本というよりはビジネス書。しかし、一番感動したのはこの人が広報戦略の重要性を訴えてからチームが組織されるまで7年間かかっている事。ずっと地道に訴えつづけ、他の仕事もこなし、ある日突然チャンスが回ってくる。そして、確実にそのチャンスをつかみ取って、その際にちゃんと肩書きを要求する辺り、凄く勉強になった。組織の中でやりたい事を通すってのは大変な事。しかも前例のない事なんか特に。前例がないといっても特別オリジナルなアイデアなわけじゃない。多分どこの企業にも似たような事を考えている人がいて、でも95%の人がそれを実現させる事を諦めてしまっている。余りにも煩雑な説明と説得の繰り返しとかで。信じる道を突き進まんとダメだな。じっくり、一人一人味方を増やしていこうと思いました。

プロフェッショナル広報戦略