貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

ダンテ『神曲』(宝島社)
ギュスターブ・ドレの挿絵がメイン、訳は抄訳で読みやすい。神曲の世界を画集を見る感覚で楽しめる。改めて読んでみると、ダンテって自分を主人公にして地獄巡るまでは良いけどその後完全に悟り開いちゃってるからね、冷静に考えると自意識過剰も良い所だよなぁ、とは思う。しかも昔好きだったけど死んじゃった女=ベアトリーチェ、が自分の元にくるまでの案内役=ヴィルギリウス(ウェルギリウスの方がしっくり来る)を使わしてくれるっていう初期設定も、一歩引いてみると男の勝手な妄想・・・。ベアトリーチェは別の男に嫁いだ身な訳だし、あんまり妄想がすぎるとご自分が地獄に堕ちてしまうのでは、と心配でなりません。

 

ドレの神曲