2003-07-09 ■ 読 古井由吉『槿』(講談社文芸文庫) ふとした瞬間で壊れてしまいそうな狂気と現実の間をたゆたう、そんな状況を描かせたらとにかくこの人にかなう者はいないのではないか。美しく、静謐で危うい文章。長生きして下さいませ。 散文も詩の内だ、と思って小説を書いてます。 文学である以上は、とつけたしておきますが。 このことについてはなかなか、むずかしい事情もあります。 論ずるよりは、たどたどしくても、話すのがよいでしょう。 古井由吉