貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

『Men's EX 特別編集 最高級靴読本』(世界文化社
昔買った雑誌の別冊革靴特集を今さら読んでお勉強。以下革靴覚書。いつか役に立つ、といいな。
ジョン・ロブ
イギリスのKing of 革靴。ポール・ハーデンもここで修行したとか。青山にある既成靴のジョン・ロブはエルメス傘下の別会社。本家本元ジョン・ロブはロンドンにビスポーク(オーダー)専門店として今でも営業している。エルメス傘下のジョン・ロブは通称エルメス・ロブ、またはパリ・ロブ。クオリティ管理は尋常ではなく、最上級の革を買い付け、さらにその45%を廃棄、というから驚く。
エドワード・グリーン
ジョン・ロブに並ぶイギリス革靴の両雄。繊細なイメージ。お店で並んでるのみても存在感がありますな。伊勢丹では12万前後だった。
オールデン
アメリカの革靴と言えばオールデン。馬の知り部分の革、コードバン(高級ランドセルに使われてるやつ)を使ってるのが特徴。
J・M・ウェストン
青山の眼鏡屋の隣にどど~んと居を構えるフランスの革靴。見るからに丈夫そう。サイズが4ミリ毎に用意されていたり、同じサイズの靴でも幅が6~7段階用意されてると言うから驚き。既成靴だけど限り無く自分の足にあった逸品をみつけられそうな予感。
その他
ベルルッティ(フランス)やシルヴァノ・ラタンツィ(イタリア)は色とかデザインとか物凄いかっこいいけど、やっぱり高い。
ロード・ダンセイニ『世界の涯の物語』(河出文庫
トールキンラヴクラフトアーサー・C・クラーク稲垣足穂などなど、ジャンルを越え影響を与えた作家。ファンタジー小説の古典。ダンセイニの初期幻想短編集二冊を完全収録、全33篇。前半は完全なファンタジー、後半はやや現実に根ざしている様な傾向。とにかく1篇の密度が濃い。基本的に1話完結で、世界観等の状況設定からオチまで10ページ前後で書かれているものが多い。ファンタジーだから人畜無害な平和なお話かと言うとそうじゃない。わずか7ページの短編だが現実の世界と自分の頭の中の空想の世界に生きている男のお話(「トーマス・シャップ氏の戴冠式」)は妙に印象に残った。「私は目で見たものについて書くことは決してしない。夢見たことについてだけ書く。」思い起こされるのは「創造は想像から」という某塾のコピー。想像、空想、夢の中で何もできなきゃ現実で何かできる訳ないもんなぁ。どうやら今年50冊目の読了らしい。

世界の涯の物語 (河出文庫)