貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

千一夜物語24』(岩波文庫
千一夜史上類い稀なる空飛ぶ巨人が登場。この巨人、翼もないのに空が飛べる。息を大きく吸い込むと腹が膨らんで浮き上がると言う仕組み。では、浮いた後はどうやって進むのか?

風のため意に反して、好む以上の高さに運ばれたと思うと、巨人はいろいろの強さと長さの放屁を、一発、二発、三発、四発と放ちます。反対に、こうしてガスを漏らす結果、その腹がしなびると、上体のあらゆる穴、即ち口と鼻と耳でもって、空気を吸い込みます。するとすぐに再び碧空に上がって、鳥の早さで一直線に翔けるのでした。

 

 

金剛王子の華麗な物語(第913夜)より

また、その後の「乙女 心の傑作、鳥の女代官の物語」では主人公の女性(=心の傑作、と言う名前)が実に30ページ、4夜かけて歌を歌いまくるシーンあり。これは、多分『千一夜物語』の中でも最も長い歌のシーンだと思われ。これは魔神たちに対して歌を披露しているシーンなのだが、そのリアクションが、また凄い。

そして、魔神のマイムゥーンも、同じ醜怪なもう一人の者も、立ちあがり、指を尻の穴に入れて、踊り始めましたが、これは、その言葉で、明白に、「感服の余り気が狂った」という事を意味していたのでございます。

 

 

乙女 心の傑作、鳥の女代官の物語(第935夜)より