貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

三崎亜記『となり町戦争』(集英社)
最近ちょいと話題になっているのが気になったので読んでみた。五木寛之に天才と言わしめた才能とはいかほどのものか。となり町との目に見えない戦争というのは確かに現代の現実感のない戦争を見事に活写している。役所の女職員とのロマンスはどうしても安っぽさが漂うけれど全体的に面白く読めた。戦争を役所の堅苦しい手続きの中で遂行している所が苦みのあるユーモアなのだけど、そこら辺を読みづらく感じてしまう人はいるのかもしれない。もう少し話題になって読まれても良いかもしれないが、わずかにパンチ力に欠ける感じが部数伸び悩みの原因?

 

となり町戦争