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山岸涼子『テレプシコーラ』（メディアファクトリー）

１～４巻。初バレエ漫画。友情、嫉妬、栄光、挫折、少女漫画要素てんこもりのジャンルについに手を出してしまいました。優等生の姉とダメな妹、でも自覚していないだけで妹にも才能があって・・・。おまけに才能あふれる姉はケガをしてしまったり。そんでもって、あまりにも不幸な家庭環境にある天才バレリーナがいたり。序盤はなんかドロドロしております。ていうか、借金まみれのアル中ＤＶ夫に生活保護の金ももぎ取られて飲まれてしまうような家庭。仕方なく娘を児童ポルノのモデルにしちゃったり・・・主人公姉妹よりもそんな不幸すぎる空美ちゃんが気になって仕方ありません、が、なぜか途中からぱたりと現れなくなってしまいます。ど、どうなっちゃうの！？

西岡兄妹『死んでしまったぼくの見た夢』（パロル舎）

兄のストーリーは幾分意味が強すぎるところがあるような気がします。たまに説教くさいというか、なんか押し付けられている感覚がすることがないわけじゃぁない。けど、妹の絵はとても素晴らしいし、ちょっとした欠点をさっ引いても、いまこんだけ楽しみな人はいないなーと思ったりもする。どんどん創作して欲しいです。

西岡兄妹『地獄』（青林工藝舎）

「顔のない女について」では、顔が空洞になった女を拾ってくるというまったく夢幻的な世界で話は進む。だけど、顔のない女とセックスをして「ああ気持ち良い」っていう妙にリアルな感覚を持っているのが奇妙なリアルさを出していて、その生々しい感覚とシュールな絵と不可思議なストーリーのミックスが西岡兄妹の魅力なのかなーと思ったりもした。まぁ、なんつーか、こういう人、頑張って欲しいですよね。楽しみが増えるし。