貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

マルセル・プルースト失われた時を求めて 4』(ちくま文庫)
このちくま文庫版は井上訳。最新の鈴木道彦訳の評判がよろしいようだけれども、何となく井上訳に愛着がある。鈴木訳は確かに読みやすいけれども読みやすくするために文章を途中でぶちぶち切っている感じ。あのダラダラと続くプルースト特有の文章は井上訳の方が味わえる。そして「、」で続いていく文章のリズム。この読点のリズムこそがプルーストの醍醐味だ、たとえ眠くなろうとも、醍醐味だ、と言うのはいささか極端すぎるか?ISBN:4480027246