貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

田中小実昌香具師の旅』(河出文庫
「私小説」のような「小説」。田中小実昌が語っているように見えて、そのお話はどこか作られたものな訳で、そういうトリックに気づくまではちょっとずつ違和感を感じる。何も考えずに読むとエッセイというか回想録のように見えるので、話ごとに整合性が取れてない所とか「??」となってしまう。さっきの話では違ったはずなのに・・・、みたいな感覚。小説っぽくならないように語る小説、というのがこの人の1つのキーワード。2冊めで、なんか楽しくなってきた。
田中小実昌『自動巻時計の一日』(河出文庫
朝起きてから、夜寝るまでを小説に書いてみた作品。小学校の作文で、まぁ、まず最初にやめろと言われる書き方だけれども、実際やってみるとそれなりに楽しい。田中小実昌は色んな職業を転々としてるのでネタが豊富でおもろい。

 

香具師の旅 (河出文庫) 自動巻時計の一日 (河出文庫)