貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

『MS大図鑑 PART.4 MS開発戦争史』
高性能化が進むにつれ巨大化が避けられなかったMSを抜本的に見直して、汎用人形兵器という原点に回帰したのがガンダムF90、というお話。
江戸川乱歩江戸川乱歩全集1 屋根裏の散歩者』(光文社文庫)
推理小説、探偵小説の類いは作者の敷いたレールの上を辿るだけで終わるようなどうしようもないつまらなさが付きまとう。作者によって巧みに配置された登場人物たちがプログラム通りに都合良く動いていくのを見ているだけ、みたいな。確かめ算みたいなつまらなさ。乱歩の小説も筆者が純粋探偵小説と呼ぶようなものに関してはこのつまらなさから逃れられない。一応事件の結末という答えに当たる部分をぼかして、解釈次第でどちらにも取れるような、「藪の中」的な含みを持たせることで多少このつまらなさを軽減できたりはするけれど、まぁ限界がある。しかしながら乱歩が特異なのは推理小説や探偵小説に自らの怪奇・幻想趣味が混ざってくるようになったところ。自らが椅子の中に入り込んで全身で坐る人を受けとめる事に喜びを感じてしまう「人間椅子」の倒錯性にニヤリとしてしまうじゃないか。「白昼夢」での「あっぷく ちきりき あっぱっぱぁ」という意味のない童歌がかもし出す不穏な幻想!事件のトリックだとかは結構どうでも良くて、倒錯的な怪奇・幻想小説としての乱歩を大いに楽しみたい。

 

機動戦士ガンダム MS大図鑑 宇宙世紀ボックス (エンターテインメント・バイブルシリーズ) 江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者 (光文社文庫)