貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

網野善彦『日本の歴史をよみなおす』(ちくま学芸文庫
すんごい勉強になりました。被差別部落の起源である「非人」も最初はポジティブな意味でのむしろ聖別された存在だったという話とか目から鱗。彼らは「穢れ」を払える特別な存在だったのだけど「穢れ」への畏れが社会から無くなってくるのに合わせて「穢れ」にまみれた存在として差別されていってしまうという展開。また百姓=農民も間違い。水呑み百姓というと土地を持たず、地主に搾取される貧しい農民を思い浮かべるが、これはまったくの誤解だという。百姓にはなんと商人も含まれるのだ!!自分の土地を持たない百姓は自動的に「水呑み」に分類されてしまう当時の制度から起こった誤解で、土地を持ってないのではなく、持つ必要が無い百姓がかなりの数いたということ。豪商みたいな存在が制度上は水呑み百姓になってしまうのです!いやー、勉強になりました。

 

日本の歴史をよみなおす (全) (ちくま学芸文庫)