2006-07-06 ■ 読 久保田万太郎『春泥』(講談社文芸文庫) 何の反動なんか、激渋なセレクト。最後に短歌が出てきて、何とも言えない余韻を残すんだけど、むしろ、その短歌のための前文としての小説なんじゃないかってくらい最後の短歌がぴたりとハマっていてグッときます。「三の酉」はあっけなく人が死ぬオチなんだけど、人が死ぬのって泣かせようとしての詐術って感じがしちゃう人としない人ってのがいるもの。久保田万太郎は嫌みがなくて味わい深いです。