貼雑歩録 Ver.2.0

日々の情報から拡散する好奇心と、思考の断片をスクラップブックのように書き留める試み。

充実した春休み。しみじみ思うが映画は素晴らしい。やはり映像で語る映画が素晴らしい。映像は時に言葉を超越する。そんな場面を目の当たりにしたときの感動は筆舌に尽くし難し。言葉には不可能な普遍性。映像の前に言葉は羨望を感じるんじゃないかしらん。宣伝会議の講義でタナカノリユキの話を聞いていてもそんな事を思った。でも、なるべく多くの人に伝わる言葉を書きたい、コピーを考えているとそれがとても重要な事に気付く。映像を語ろうとする言葉は本質的に力不足というか、物足りなさ、というか、を感じてしまうのではないか。その事に自覚的だからこそ蓮實重彦はあーいった文体になるのかもしれない。映画のような言葉。だから浅田彰蓮實重彦の映画批評を映画のように美しいと評するのかもしれない。青山真治が言っていた言葉で伝える事のできない美しさ、でも言葉で伝えられない程美しい事を伝えるのは言葉なんだ、というお話をしみじみ考えてみたりする今日この頃。